イングロリアス・バスターズ
原題: Inglourious Basterds
2009 · 2時間32分 · ハリウッド · ★ 8.2 (24,099件)
- ドラマ
- スリラー
- 戦争
1941年、ナチス占領下のフランスの田舎町で、家族を虐殺されたユダヤ人のショシャナはランダ大佐の追跡を逃れる。一方、“イングロリアス・バスターズ”と呼ばれるレイン中尉率いる連合軍の極秘部隊は、次々とナチス兵を血祭りにあげていた。やがて彼らはパリでの作戦を実行に移す。
3 行で分かる
スポイラーなし。物語の入口、観賞体験、観終わったあと。
- 1 ナチス占領下のフランス、ユダヤ系アメリカ兵による特殊部隊「バスターズ」が、ナチス幹部を狩り始める。
- 2 緊張感のある長い会話と、突然の暴力的なカタルシスが交互に並ぶ、タランティーノらしい復讐劇。
- 3 観終わったあと、歴史の if と現実の境界線を、タランティーノが軽やかに踏み越えた快感が残る。
6軸スコア
この映画を観た観客の感情体験を6方向で分解。
なぜこのスコアか 余韻:ランダ大佐の取り調べ、ショシャナの復讐の煙、地下室の駆け引き。タランティーノ流の対話劇。
- レーダー凡例:
- 泣ける
- 怖い
- 笑える
- 頭を使う
- 没入度
- 余韻
※ prismflick 独自の 6 軸基準による評価です。観方や受け取り方は人によって異なります。 仕組みを見る →
観終わった感情
この映画を観た後に残る感情の手触り。
観終わったあと、緊張の会話劇と痛快な復讐の両方が口に残る。タランティーノが歴史をどう書き換えるかが見どころの一本。
深掘りレビュー
6軸スコアの根拠を、シーンの記憶ベースでもう一段深く。
どんな一本か
ナチス占領下のフランスを舞台に、ユダヤ系アメリカ兵部隊「バスターズ」の復讐と、家族を殺された映画館主ショシャナの復讐が、一軒の映画館で交差する 2009 年のタランティーノ作品。「歴史をフィクションで書き換える」という大胆な企てを、章立ての会話劇で組み上げた異色の戦争映画だ。
怖い 3.5 の根拠 — 暴力ではなく会話が怖い
タランティーノ作品の scary は通常 2.0〜2.5 を上限にしている(過剰暴力はカタルシスとして消費されるため)が、本作は例外的に 3.5 を付けた。理由は冒頭 20 分の農家の尋問にある。ランダ大佐がミルクを飲みながら世間話を続けるだけの場面が、銃撃よりはるかに息苦しい。地下室の酒場の長回しも同じで、この映画の恐怖は暴力シーンではなく「いつ会話が決壊するか」の緊張から来ている。
笑える 3.5 と余韻 3.5 の中身
ブラピ演じるレイン中尉のイタリア語の場面など、緊張の合間に声を出して笑える瞬間が確かにある。緊張と笑いの落差そのものが芸になっているのがタランティーノの会話劇だ。余韻 3.5 は、映画館のスクリーンに浮かぶショシャナの嗤いの画と、「映画が歴史に復讐する」という構造の鮮やかさへの数字である。
合う気分・合わない気分
長い会話の駆け引きを味わう集中力がある夜に。アクション映画を期待すると、152 分の大半が「テーブルを挟んだ会話」であることに面食らう。逆に言えば、脚本の妙を楽しみたい人には最高のご馳走だ。
2〜3日後に残るもの
ランダ大佐がパイプを取り出す瞬間の空気、クリーム添えのシュトゥルーデル、燃え上がるフィルムの山。会話の「間」の怖さという、他の映画では味わえない感覚が残る。
配信先
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