ウルフ・オブ・ウォールストリート
原題: The Wolf of Wall Street
2013 · 2時間59分 · ハリウッド · ★ 8.0 (25,836件)
- 犯罪
- ドラマ
- コメディ
学歴や人脈もないまま、22歳でウォール街の投資銀行で働きだしたジョーダン・ベルフォート。巧みな話術で人々の心を瞬く間につかみ、斬新なアイデアを次々と繰り出しては業績を上げ、猛烈なスピードで成り上がっていく。そして26歳で証券会社を設立し、約49億円もの年収を得るまでに。富と名声を一気に手に入れ、ウォール街のウルフという異名で呼ばれるようになった彼は、浪費の限りを尽くして世間の話題を集めていく。しかし、その先には思いがけない転落が待ち受けていた。
3 行で分かる
スポイラーなし。物語の入口、観賞体験、観終わったあと。
- 1 ペニー株を売り捌くウォール街の若き敏腕、ジョーダン・ベルフォートが、急速にのし上がっていく。
- 2 過剰な欲望、薬物、女性、そして金。3 時間続く欲望の渦が、観客を巻き込んで離さない。
- 3 観終わったあと、過剰なエネルギーと欲望に呑まれた疲労感が残り、観た直後の脱力感が同時に来る。
6軸スコア
この映画を観た観客の感情体験を6方向で分解。
なぜこのスコアか 余韻:ルードのスローモーション、Sell me this pen、ヘリのシーン。ウォール街の堕落の3時間。
- レーダー凡例:
- 泣ける
- 怖い
- 笑える
- 頭を使う
- 没入度
- 余韻
※ prismflick 独自の 6 軸基準による評価です。観方や受け取り方は人によって異なります。 仕組みを見る →
観終わった感情
この映画を観た後に残る感情の手触り。
観終わったあと、過剰なエネルギーと欲望の渦に呑まれた疲労感が残る。コメディとしての密度、そして観た直後の脱力感が同時に。
深掘りレビュー
6軸スコアの根拠を、シーンの記憶ベースでもう一段深く。
どんな一本か
実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの回顧録をスコセッシが映画化した 179 分。ペニー株の電話営業から成り上がり、薬物と乱痴気騒ぎの果てに転落していく男の話を、本作は断罪でも美化でもなく「過剰さの体験」として描く。観客は 3 時間、彼の躁状態に同乗させられ、楽しさと胸焼けを同時に味わうことになる。
笑える 4.5 の中身——失敗が全部ギャグになる
これは紛れもなくコメディだ。筆頭は、効きの遅い薬物を過剰摂取したジョーダンが、体の自由を失ったままランボルギーニまで這っていく数分間。ディカプリオが文字通り体を張った、映画史に残る肉体喜劇の場面だと思う。FBI 捜査官をヨットで懐柔しようとして失敗する駆け引き、結婚式や社内集会の常軌を逸した馬鹿騒ぎ。倫理的にアウトな題材を、笑いの速度で押し切っていく。
没入度 4.5 と余韻 3.0 の落差
没入度 4.5 は、ジョーダンの一人称ナレーションとカメラ目線が観客を「共犯者」に引き込む話法の数字だ。社内の熱狂、札束の質感、営業トークのグルーヴ。観ている間は完全に渦の中にいる。一方で余韻 3.0 にとどまるのは、本作が意図的に内省を排しているから。転落しても本質的な反省は訪れず、最後は「セールスの技術を売る男」として続いていく。この乾いた幕切れの後味が、数日残るとすれば「なぜ自分はあれを楽しんでしまったのか」という居心地の悪さだ。
合う気分・合わない気分
ハイテンションな会話劇を 3 時間浴びたい夜、行儀の悪いコメディを求める夜に向く。性と薬物の描写は全編にわたって直接的なので、人を選ぶことは明記しておく。金融知識は不要——ジョーダン本人が「細かいことはどうでもいい」と観客に言ってくれる。
2〜3日後に残るもの
「Sell me this pen(このペンを俺に売ってみろ)」という問いと、這って車に向かう男の姿。札束の山より、営業という行為の魔力と毒が記憶に残る。
配信先
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