パルプ・フィクション
原題: Pulp Fiction
1994 · 2時間34分 · ハリウッド · ★ 8.5 (30,112件)
- スリラー
- 犯罪
- コメディ
強盗の計画を立てているカップルを導入部に、盗まれたトランクを取り戻そうとする二人組のギャング、ビンセントとジュールス。ボスの情婦と一晩のデートをするハメになるビンセント。ボクシングの八百長試合で金を受け取るボクサーのブッチ。誤って人を殺し血塗れになった車の処理に右往左往するビンセントとジュールス。ギャングのボス、マーセルスを軸としたこれらの物語がラストに向けて収束していく。
3 行で分かる
スポイラーなし。物語の入口、観賞体験、観終わったあと。
- 1 ロサンゼルスの一日、ギャング、ボクサー、ダイナーの強盗 — バラバラの物語が同じ街で交差する。
- 2 シリアスと笑い、暴力と日常会話を同じ熱量で並べる手つきが、観客の脳をリズミカルに揺さぶる。
- 3 観終わったあと、ハンバーガーをどう食べるか、どんな曲をかけて踊るかを、ちょっと考えたくなる。
6軸スコア
この映画を観た観客の感情体験を6方向で分解。
なぜこのスコアか 余韻:ロイヤルウィズチーズ、ツイストダンス、聖書の引用、時計の秘密。非線形構造の代名詞。
- レーダー凡例:
- 泣ける
- 怖い
- 笑える
- 頭を使う
- 没入度
- 余韻
※ prismflick 独自の 6 軸基準による評価です。観方や受け取り方は人によって異なります。 仕組みを見る →
観終わった感情
この映画を観た後に残る感情の手触り。
観終わったあと、口角と頭の両方が動き続ける。時系列を組み直すたびに新しい発見があり、引用したくなる名場面が残る。
深掘りレビュー
6軸スコアの根拠を、シーンの記憶ベースでもう一段深く。
どんな一本か
ギャング二人組、ボクサー、ギャングのボスの妻、ダイナーの強盗カップル。ロサンゼルスのいくつかの物語が、時系列をバラバラに組み替えられて提示される。1994 年のカンヌでパルムドールを獲り、その後の映画の会話と構成の書き方を変えてしまった一本。「非線形構造」という言葉が映画ファンの共通語になったのは、ほぼこの映画のせいだ。
笑える 4.5 の中身——殺し屋の世間話
本作の笑いは、状況と会話の落差から生まれる。人を殺しに行く道中で交わされる「パリではクォーターパウンダーをロイヤルウィズチーズと呼ぶ」という世間話、聖書を朗々と引用してから仕事に入る段取り。暴力の直前に挟まる日常会話のとぼけた可笑しさは、声を出して笑うタイプの笑いとして十分 4.5 に値する。ただしブラックで血なまぐさい笑いなので、耐性は要る。
頭を使う 4.0・没入度 5.0 の根拠
シャッフルされた時系列は、観ながら頭の中で並べ直す楽しみそのものが報酬になる設計だ。ある人物の運命を知ったあとで、その人物の「過去」の章が始まる時のざわつき。一度観てから時系列順に組み直すと、まったく違う物語の表情が見えてくる。没入度 5.0 は、ツイストコンテストの踊り、ダイナーの赤いソファ、トランクの中身という具合に、全カットがポスターになる画の強さと、サーフロックの選曲が作る「この映画にしかない空気」の数字だ。
合う気分・合わない気分
会話劇を肴に夜更かししたい気分に最適。暴力描写と不謹慎な笑いが平気であることが前提条件で、泣ける 1.0 の通り感動を求める夜には全く向かない。154 分あるが、章立てのおかげで体感は短い。
2〜3日後に残るもの
ツイストを踊る二人のシルエット、「Royale with Cheese」の響き、金色に光るトランクの中身は何だったのかという謎。引用したくなる台詞が日常会話に侵入してくるのが、この映画の余韻 4.5 の形だ。
配信先
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